宅建業法②「免許制度」【宅建独学コース】

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宅建業法①~

「免許制度」

免許の種類と申請

宅建業を営むには宅建業の免許が必要です。

 

宅建業の免許は、個人・法人のどちらでも申請することができます。

法人の場合は、事業目的に「宅建業を営む旨」が記載されていることが必要。

 

この宅建業の免許には「都道府県知事免許」と「国土交通大臣免許」の2種類あります。

2種類ありますが、どちらの免許でも、全国どこでも業務を行うことができます。

また、知事免許と大臣免許に優劣もありません。

 

都道府県知事免許

1つの都道府県内のみに事務所を設置する場合は、「都道府県知事免許」が必要。

免許の申請は、免許権者である都道府県の知事に直接おこないます。

※免許権者……免許を与える者のこと。

 

国土交通大臣免許

事務所が、2つ以上の都道府県にある場合は、国土交通大臣免許が必要。

免許の申請は、本店(主たる事務所)がある都道府県の知事を経由して、国土交通大臣に申請を行います。

 

免許の申請から免許を受けるまでの間は、宅建業を営むことや、営む旨の表示・広告をすることはできません。

免許の種類のポイントは、事務所の数は関係なく、1つの県のみにあるか、複数の県にあるかですね。

 

 

免許証の交付・有効期間・更新

免許証の交付

免許権者(知事や大臣)は、免許の申請者が「欠格要件に該当しなければ、免許証を交付します。

「欠格要件」については→宅建業法③「免許の欠格要件」「登録の欠格要件」【宅建独学コース】

なお、免許権者は、免許証の交付または更新をするにあたって、申請を受けた免許に条件を付けたり、その条件を変更したりすることができます。

 

宅建業者は、免許証の一定の記載事項に変更が生じた場合、免許証の書換え交付申請を行わなければいけません。

また、免許証を亡失・滅失・破損した時は、遅滞なく、免許権者に免許証の再交付申請をしなければいけません。

※遅滞なく…ただちに。すみやかに。迅速に。

 

免許の有効期間

宅建業の免許の有効期間は、都道府県知事免許・国土交通大臣免許ともに5年

 

免許の更新

免許の有効期間の満了後、引き続き宅建業を続ける場合は、免許の更新申請が必要。

免許の更新申請手続きは、免許の有効期間満了の日の90日前から30日までの間に行う必要があります。

なお、申請期間内に手続きをしたのにもかかわらず、満了日を過ぎても、免許権者の都合などにより更新されない場合は、その処分が出るまでの間、満了日以降も従前の免許が効力を有することになります。

適正な期間内に、ちゃんと更新の申請手続きをしとけばOKってこと。

どちらにしても、更新後の免許の有効期間は、従前の免許の満了日から5年となります。

国土交通大臣が免許権者の場合は、本店(主たる事務所)がある都道府県知事を経由して更新申請。

業務停止期間中でも、免許の更新は可能。

免許換え

免許換えとは、事務所の「新設」「廃止」「移転」により、現在の免許とは別の免許権者の免許が必要になった場合、新たな免許権者に対して免許の交付申請をすること。

免許換え後、従前の免許は効力を失い、新免許の有効期間は交付日から5年になります。

国土交通大臣が免許権者の場合は、本店(主たる事務所)がある都道府県知事を経由して申請。

 

「新設」 知事免許の業者が、他県にも事務所を設置した。→2つの県に事務所。 知事免許→国土交通大臣免許
「廃止」 2つの県に事務所を設置いていた業者が、片方の事務所を廃止した。→1つの県のみに本店 国土交通大臣免許→知事免許
「移転」 知事免許の業者が事務所をすべて廃止して、他県にすべて移転した。A県からB県へ A県知事免許→B県知事免許  (※申請B県知事に)
免許換えをしなければならない事由に該当しながら、免許換えの申請を怠っていることが判明した場合、免許権者によって免許を取り消される。

廃業等の届出

宅建業者が死亡したり、宅建業を廃業したような時は、その旨を免許権者に届け出なければなりません。

国土交通大臣が免許権者の場合は、本店(主たる事務所)がある都道府県知事を経由して届出。

 

廃業等の届出

事由 届出義務者 届出期間 免許の効力が失われる時点
死亡 相続人 知った日から30日以内 死亡の時
法人の合併による消滅 代表役員であった者 その日から30日以内 消滅の時
破産手続き開始の決定 破産管財人 届出の時
法人の合併・破産以外での解散 清算人
宅建業を廃止 個人・代表役員

 

免許証の返納

宅建業者は、免許の効力が失効する下表の場合には、免許権者に免許証を返納しなければなりません。

 

国土交通大臣が免許権者の場合は、本店(主たる事務所)がある都道府県知事を経由して返納。

 

【返納事由】

         返納事由     返納時期
・免許換えにより従前の免許の効力を失った時 遅滞なく
・免許取消処分を受けた時
・亡失した(失くした)免許証を発見した時
・廃業の届出をする時 届出の時

※遅滞なく…ただちに。すみやかに。迅速に。

有効期間を満了した免許証は、返納する義務はありません。

 

宅建業者名簿と変更の届出

免許を受けた宅建業者に関する情報は、情報の把握と、請求があった場合は一般に公開しなければならないため、国土交通省または都道府県に宅建業者名簿として備え付けられます。

 

宅建業者は、この宅建業者名簿の登載事項のうち、下表の②~⑥に変更があった場合、30日以内に免許権者に変更の届出をしなければいけません。

 

【宅建業者名簿の登載事項】

               登載事項  変更の届出
①免許証番号・免許の年月日 ×(不要)
商号または名称 ◯(必要)
事務所の名称・所在地 ◯(必要)
法人の場合…役員及び政令で定める使用人の氏名 ◯(必要)
個人の場合…その者及び政令で定める使用人の氏名 ◯(必要)
事務所ごとに置かれる専任の宅地建物取引士 ◯(必要)
⑦他の事業を行っている場合は、その事業の種類 ×(不要)
⑧指示処分・業務停止処分があるときはその年月日と内容 ×(不要)

※役員は、取締役・顧問・相談役など(非常勤も含む)。

※政令で定める使用人は、支店の代表者など契約締結権限を有する者。

 

国土交通大臣が免許権者の場合は、本店(主たる事務所)がある都道府県知事を経由して届出。

 

変更の届出のポイントは、「名称・氏名」「事務所の所在地」に変更があった場合に必要ということ。

人物の住所や本籍は登載事項ではないです。

 

「免許制度」まとめ

宅建業を営むために必要な免許には、

  • 「都道府県知事免許」
  • 「国土交通大臣免許」

の2種類の免許がある。

 

免許の有効期間は5年。

更新のタイミングは、有効期間満了の90日前から30日までの間。

 

国土交通大臣免許で、届出や申請などがある場合は、本店(主たる事務所)がある都道府県知事を経由して行う。

 

廃業することになった場合や、宅建業者名簿の記載事項に変更がある場合は、30日以内に変更の届出が必要。(死亡の場合は、知った日から30日以内)

 

免許の返納が必要な場合は、遅滞なく

 

免許換えが必要な場合に、免許換えの申請を怠ると免許の取消処分を受ける。

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