鉄筋結束機の特徴やメリット・デメリット【鉄筋工が解説】

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マックス結束機・とも丸*鉄筋

昔の人は言いました…

 

老兵「鉄筋の結束は機械には無理じゃ、わしらの熟練した結束の技術とスピードがあってこその作業じゃよ。」

(クルクル、キュッ、クルクル、キュッ、クル…)

 

老兵「ん?」

 

新人「…♪」

(カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ、カシャッ…)

 

老兵!?

老兵な、なんじゃそれは!?早過ぎじゃね!?

 

 

1級鉄筋施工技能士とも丸*です。

 

建設現場で、鉄筋工事を行う上で、必要不可欠な技術の一つに「鉄筋の結束」があります。

これまで「鉄筋の結束」は、鉄筋工が、結束線(専用のはりがね)をハッカーと呼ばれる道具を使い、手作業で行っており、その熟練度によって結束のスピードや品質が左右されていました。

 

 

しかし、最近では鉄筋結束機と呼ばれる機械が普及し、結束の熟練度に関係なく、スピードと品質を確保できるため、この機械による結束が主流になりつつあります。

 

今回は、その手作業に変わる革新的な機械の中から、マックス株式会社の鉄筋結束機ツインタイアRB-440T」について、その特徴やメリット・デメリットを紹介していきます。

 

「マックス鉄筋結束機」ツインタイアRB-440T

RB-440T

ツインタイアRB-440Tとは?

 

建設現場での鉄筋工事には、スピードと、品質の確保が求められることから、ハッカーによる手作業の鉄筋結束には、ある程度の熟練技術が必要とされていました。

そんな中、熟練の技術が要求されるハッカーに変わるツールとして、鉄筋結束機が1933年から開発・販売され始め、2017年にマックス株式会社により、長年の研究と改良の末、発売されたのが鉄筋結束機最新モデル「ツインタイアRB-440T」です。

 

ツインタイアの特徴は?

 

マックス株式会社が開発した鉄筋結束機、ツインタイアRB-440Tの特徴としては主に次の3つが挙げられます。

 

 

1.ツインタイア機構

 

「ツインタイア機構」とは、世界で初めて、鉄筋結束機の先端部分から2本のワイヤ(金属の線)を送りだし鉄筋に巻きつけ、ねじって結束することを可能にした新機構です。

従来販売されていた他の鉄筋結束機は、先端から1本のワイヤを送り出し、鉄筋を3周ほど巻きつけて結束する仕組みでしたが、ツインタイア機構により2本同時にワイヤを送り出すことができ、鉄筋を1周巻くだけで結束ができるようになりました。

 

これにより、一箇所にかかる結束の速度が、従来は0.9秒(3周)の時間を要していましたが、ツインタイアは0.7秒以下(1周)と約130%の速度向上を実現しています。

 

2.引き戻し機構

 

 

「引き戻し機構」とは、ワイヤを鉄筋に巻きつけた後、ワイヤを送り出す機構を逆回転させて引き戻すことで、従来の機械による結束より約1.5倍の力で縛ることができ、鉄筋の太さや形状に応じてワイヤの長さを最適化することのできる機構です。

 

ワイヤの長さを最適化することにより、従来の機械よりもワイヤの使用量が減るため、1リール当たりの結束回数が約2倍になり、ランニングコストの軽減につながることになっています。

 

3.先端折り曲げ機構

 

「先端折り曲げ機構」とは、ワイヤのねじり部分となるミミ(結束線のヒゲ)の部分をカットして折り曲げる機構です。

従来の機械では、結束後のミミの高さが24mmほどとなっていましたが、先端を折り曲げる事によりミミの高さを12mm半減することができ、コンクリートのかぶり厚さが少ない現場でも使用できるようになっています。

 

 

鉄筋結束機のメリット

マックス結束。とも丸*

新人でも簡単に使える

万年人手不足の鉄筋業界では、熟練の結束技術を持った鉄筋工の確保・育成が重要視されてきましたが、鉄筋結束機はトリガーを引くだけの簡単操作のため、未経験の新人など誰でも結束作業の即戦力になれます。

 

体への負担軽減

大量の結束をする場合、ハッカーを手首で回し結束すると、手首の疲労や腱鞘炎が発症していましたが、鉄筋結束機を使うことにより、手首を回す必要がなくなり、腱鞘炎を発症することはなくなり、疲労も軽減されます。

 

作業スピードの向上

一箇所の結束スピードが0.7秒以下と早く、職人による熟練の結束スピードより早い。結束箇所の量が増えれば、よりその差は顕著に現れます。さらに結束にかかる時間が減ることで、結束にかかる人数も減るため人件費のコストダウンに繋がる。

僕も15年以上鉄筋工をしていますが、ツインタイヤの結束スピードにはとても敵いませんねw

 

鉄筋結束機のデメリット

マックス換装。とも丸*

 

 

購入費用が高い

ハッカーは1000円~15000円ほどと手頃な値段に対し、鉄筋結束機は本体価格が20万円近く高額なため個人で買うにはちょっと厳しい。また結束線の代わりとなる専用の交換用ワイヤリールの値段も高め。

 

 

結束できない場所もある

鉄筋は複雑な形状に組み立てられるため、機械本体が入らない場所や、機械の結束できる角度からずれると結束できない。また、結束できる鉄筋径数ごとの組み合わせ本数がには限界があり、それを超えると結束できない。

 

大雨では使えない

本体自体は防水仕様でできているが、充電式のバッテリーとの接合部分は防水仕様ではないため、軽い雨なら問題ないが大雨の中で使用すると故障する可能性がある

僕も、雨の日は基本的に使っていませんね。購入費用が高いので壊れたら大変!なので。

 

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

ハッカーを使った手作業による鉄筋の結束に代わる、新しいツールとして開発されてきた鉄筋結束機

その性能によって、いままで結束の作業にかかっていた時間が大幅に短縮されました。

そして、誰でも扱える簡単操作設計。

しかし、まだまだ鉄筋の結束作業全てをできるには至っていないことから、熟練の手作業による結束も必要となっています。

でも、この先も技術の進歩と合わせて鉄筋結束機の開発が進めば、そのうち手作業の結束はほんとうに必要なくなっていくかもしれませんね。

 

 

 

 

おしまい。

 

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